私は高等専門学校の情報通信工学科で通信を中心に学んでいましたので、早い段階から卒業後の進路は通信系の仕事に就くことを考えていました。卒業が2010年になるのですが、当時の通信分野は携帯電話かインターネットの2択的なところがあり、私は携帯電話分野に進むことを決意しました。選択肢としては、NTTドコモ、ソフトバンク、auを提供しているKDDIの3社がありましたが、あの頃はNTTドコモが1強の存在で、ソフトバンクは携帯電話会社ではあるものの外資系のような印象でした。残る1社であるKDDIはちょっと苦戦している状況でした。一番上の会社に入るのは面白くない。auのKDDIがトップのキャリアになるために尽力したいという想いから、KDDIグループのKDDIエンジニアリングへの入社を決めました。
入社後、初めての配属先は仙台市にある東北支社でした。1年後に東日本大震災が発生したのですが、その日はたまたま会議に出席するため東京へ出張していたので、私自身は被災をまぬがれましたが強く印象に残っています。震災後の4月から北海道支社へ異動となり、4年半の勤務を経て、2020年から現在の新規事業本部の配属となりました。
KDDIエンジニアリングは、au基地局の建設や保守などの業務を中心に行ってきた会社ですが、新規事業本部は、これまでKDDIが行ってこなかった事業を新たに創出していくのが仕事です。
新たな商材で言うとローカル5Gの活用やカーボンニュートラル、太陽光発電、ドローンなどがありますが、それ以外の新規事業に繋がる事業創出にも取り組んでいます。
現在、私が担当しているのは新規事業本部全体の採算の管理が中心となります。事業本部の経費もそうですし、新たに創出した事業の売上や利益の管理も行い、会社全体の収支に紐づけていくような業務を担っています。
また、採算関係に加えて他部署との調整も私の業務の一つになります。新規事業本部は、実行部隊が少ないため、他の事業本部に実際の作業や現場の管理を依頼することになるんですね。同じ会社とは言え、事業本部としての採算を考慮しなければいけません。そこで守らなければいけないこと、譲れないものが出てくるんです。その調整が難しいところではありますが、お互いにウィンウィンになるような調整ができ、事業が無事に動き始めたときには、ホッと胸をなでおろすとともに仕事にやりがいを感じます。