Project Story

進化する保守が、通信技術の変化を支える

モバイル保守
主任
2013年新卒入社

山脇 一輝Kazuki Yamawaki
通信の将来性・安定性に大きな魅力を感じたことと、専門学校の先生のすすめもあり、新卒で入社。はじめは名古屋支社に配属され、現在は、小山支店で主任を務める。

モバイル保守
課長補佐
2009年中途入社

田中 貴文Takafumi Tanaka
KDDIパートナー企業でau基地局のエリア設計や通信エリア品質の測定業務を担当していたことをきっかけに、ステップアップを目指して転職。入社後は本社でエリア品質管理業務を経験したあと、現在の保守部門に。

モバイル保守
グループリーダー
2005年中途入社

宮島 拓也Takuya Miyashima
KDDIエンジニアリングの設立の際、一期生として入社しないかと当時の上司に誘われて中途入社。小山支店で交換機の保守業務などを担当し、2020年4月からは現部署に。

それぞれの仕事内容や役割を教えてください。

山脇:
東京23区の基地局における保守業務を担当しています。故障の際に、どういった障害が出ているかを確認して、どこをどう直すかといったことを現地の作業者に指示することが弊社の保守エンジニアの役割。作業自体はパートナー企業に委託しているので、的確な作業指示を出して早期復旧を目指すことがミッションです。
田中:
私の部署は、日本全国の基地局を24時間365日保守する役割を担っています。緊急性が高い障害について対応する部署です。たとえば、お客さまの携帯電話に電波が届かなくなって携帯電話が使えなくなってしまうようなインパクトの強い障害の対応などを行います。パートナー企業の作業員さんに現地で復旧作業を行ってもらうので、現地に対向する基地局遠隔オペレーション作業を2交替制の輪番で実施しています。
宮島:
私は田中さんと同じ部署でグループリーダーをやっています。メンバーの管理業務が中心ですね。
山脇:
この仕事で1番大変なのは、対応しても想定通り復旧しない時ですね。次の対応への切り替えと素早い判断が求められるので、知識と経験をフル稼働させて考えます。
田中:
私は緊急性の高い故障対応を行うので、山脇さん同様いち早い復旧が求められます。装置に原因があると想定して装置を交換・修理しても復旧しない場合もあるので、いろいろな可能性を踏まえて判断していかなければなりません。
宮島:
夏には雷が原因の故障などが増えるんです。ですから日々の天気を確認しながら、故障が多くなりそうだなと予想する日にはシフトを調整して出勤人数を増やすなどの対応を行っています。メンバーのお休みをきちんと確保して作業負荷がかたよらないよう配慮しつつも、十分な保守対応ができる体制づくりをしています。
田中:
外で雷が鳴っていると「会社から電話がかかってくるかも」と思います(笑)。ほかにも、雪の重みでケーブルが切れることなどもありますね。最近は異常気象が増えているので気が抜けません。
次の対応への切り替えと素早い判断が求められる(山脇)

とくに印象に残っている仕事は?

田中:
私は2019年に東日本で大きな台風があった時のことが印象に残っています。その時、夜勤者と交代するシフトに入っていましたが、電車が止まってしまう可能性があったので職場の近くに前泊して出勤しました。この台風の時にはさまざまな障害が起きましたが、各拠点と連携することで迅速に対応できました。やはり災害時は、緊張感があります。
宮島:
台風が想定される場合は、事前に進路を把握して、全社を挙げて人員体制や業務の整理などを行います。たとえば、九州で災害が起きたなら、基本的には九州の拠点で対応しますが、やはり九州のメンバーだけでは対応しきれないので全国の拠点からサポート要員が向かいます。日本全国どこで災害が起きようが、みんなで乗り越えようという雰囲気がありますね。災害対応ではそれぞれの役割分担を明確にした体制づくりを推進していて、組織的な一体感があります。2013年の話ですが、新潟の十日町で基地局にトラブルがあり、車載型基地局を出すことになったんです。その日はたまたま12月24日。現地に着いたのは夜の7時頃で、段々と雪がふり始めるタイミングでした。車載基地局が立ち上がったのは夜の9時頃ですが、その頃には30センチも雪が積もっていて、そこから動けなくなってしまった。苦労のホワイトクリスマスですね(笑)。でも、災害時に車載型基地局を出すと現地の方々の笑顔が見れるんです。保守対応は単純に機械をいじるだけでなく、お客さまとふれあい、我々のブランドであるauのファンになっていただける大切な機会でもあるのです。
どこで災害が起きようが、みんなで乗り越えようという雰囲気がある(宮島)

仕事のおもしろさはどんな時に感じますか?

山脇:
難しい故障が復旧した時は、やっぱり嬉しいですね。あとは災害時、被災地の基地局復旧に出動した場合は、暫定的にでも通信ができる状態まで持っていけた時は大きな達成感を感じます。地元の方に「携帯電話が使えるようになったわ。ありがとう! 」と言っていただくことも。ジュースの差し入れをしてくださるお客さまもいらしたりして、私の仕事が必要とされていることを実感しました。この仕事は『復旧させて当たり前』が求められる世界。とはいえ正直な話、簡単には復旧しないことも結構あります。ですから、故障やトラブルがなく私たちの出番が少ないくらいの方が本当はいいんですけどね。
田中:
そうですよね。何があってもいいように会社に待機していて、大きなトラブルがなかったり、またはトラブルがあっても無事復旧し朝を迎えることができた時にはほっとします。
宮島:
私の場合は現場に出ることはあまりありませんが、それでもトラブルから復旧した時には嬉しいですし、当たり前にサービスが使える世の中を継続して守っていくための仕組みづくりが上手く行った時はやりがいを感じますね。
無事に復旧し朝を迎えられた時はほっとします(田中)

働いていて感じる会社の好きな所は?

山脇:
今の部署のメンバーは比較的若い人が多く、とても話しやすいです。何でも話せる社風で、困ったことがあっても相談し、解決しながら業務が進められるところがいいですね。
田中:
私は中途入社なので、ほかの会社と比べてもコンプライアンスやセキュリティなどの取り組みがしっかりしていると思います。また、会社全体でDX(Digital Transformation)(注1)を推進していて、私もその推進担当を担っているのですが、新たに変化していくことに注力し、研修などを通じて会社がRPA(Robotic Process Automation)(注2)の勉強をサポートしてくれたりする部分にも魅力を感じています。
宮島:
保守だけでなく、すべての業務でKDDIエンジニアリングの社員としての標準化・効率化を目指す一体感が強みだと感じています。皆でベクトルを合わせて1つのことを成し遂げようという社風が好きです。会社として目的を達成するために、柔軟にやり方を変える姿勢があります。

注1)DX(Digital Transformation)とはIT技術を浸透させることで、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させること。
注2)RPA(Robotic Process Automation)とは、ホワイトカラーのデスクワークをAI(人工知能)などの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念。

今後の目標を教えてください。

山脇:
いろいろ無線機があって、その操作方法は全部違います。どんな機械・装置にも修理がつきものなので、機械ごとの特性をいち早く習得しながら、いかに早く復旧させられるかを極めていきたいですね。そして、どんな面においても「auって一番いいよね」とお客さまから支持していただけるように努めていきたいです。
田中:
昔と比べて、携帯電話はすごく生活に密接になりました。例えば警察や救急車を呼ぶような深刻な場面でも携帯電話を使いますよね。そう考えると、すごく重要な生活インフラです。一方で、携帯電話料金の値下げが求められている。ですから、私たちもDXの推進などを通じた業務効率化によるコスト削減を目指しつつ、『より安全により早く復旧させる』充実したサポートは維持、向上させていきたいです。
宮島:
そうですね。携帯電話料金は下がっても、私たちがやらなければいけないことは変わりません。それならやり方を変えなければ。だから、ICTやAIを導入するなど、機械化・効率化を図るのです。市場で勝ち残ってくために、保守エンジニアも立ち止まらずどんどん進化することが求められています。

掲載日 2021年4月